金をドブに捨てる男の贖罪
私には得意なことが1つもない。
勉強は出来ないし、カラオケはいくら練習しても70点~80点の間だし、ボウリングは投げる際後ろに玉が転がっていく始末である。
会社のボウリング大会では、
今まで一度も話したことのなかった女性の先輩に
「どうやったら後ろに玉を投げれんの??笑笑笑」
と嗤われ、
「ッス-……」と、何も言い返せなかった。
そんな私でも、唯一といっていい才能がある。
金をドブに捨てることである。
は??そんなものは才能じゃないと思われるであろう。
だが、先日、妻に言われたのだ。
「あなたって、本当に凄いね。ギャンブルもしてない、酒・タバコもやってないのにそんなにお金が無くなるのは才能だよね。」
と。
それを言われた私の心は荒れに荒れた。
はじめの一歩で、一歩や会長をバカにした後一撃KOで倒される小嶋
または、刃牙に負け、その後も立て続けに負け続けて泣き崩れたマホメド・アライ・Jr
彼らの気持ちがわかった気がする。
たぶん。
まあ、全くもって私が悪いのだ。
なぜなら、会社に申請すればもらえる手当ての手続きを、数年先延ばしにし続けた結果、
貰えたはずの金額が3桁に届きそうになったからである。
それを知ったときの妻の激怒は半端じゃなかった。
胸ぐらを掴まれ、詰めに詰められた。
100%私が悪いので、何も言えない。
独身の時も何回もお金をドブに捨てている感覚はあった。
というより、お金という血が流れ続けているのに、適切な処置をしない感覚。
絆創膏もはらずに、ずっと血が流れているのを眺め続けているのである。
いつか処置をしようと思いながら。
でも、さすがに結婚をすれば、私が稼いだ金は家族のものであるから、すぐに応急処置をしないといけない。
今回の件をきっかけに、自分では処置できないということは心底わかった。
私がやらなくてはいけないのは、怪我をしたことを出来るだけ早く妻に言うことである。
HSPが邪魔をしてなかなか言い出せないのだが、
妻は適切に報告をすればめったに怒らない。
また、こういうのは後から言う方が死ぬほど面倒くさくなることも十分承知済みである。
バッドニュースファースト。苦手だがやらなくてはならない。
プライドも何もかもかなぐり捨ててヘルプを求めよう。二人三脚でやっていかないといけないのだから、隠し事をすると、二人で泥沼に沈んでいくだけである。
今回の件を胸に刻んで、同じ轍を踏まないようにします。妻よ、ごめんなさい。
金をドブに捨てる男より